おばけのようだ
嫌われ松子の一生の、松子の死ぬ間際のような私になっている。
そう死ぬんじゃないかとゾッとしてる。
お風呂は入るようになった。
ご飯も前よりは作っている。
歯も磨くようになった。
部屋も前よりは片付けているけれど、身体は相変わらず丸々と太って醜い。
仕事関係の人にも会いたくないので会っていない。なので仕事は来ない。
このままなんだろうか。
毎日何度も痩せようと、気を張り縛って思うけれど食べてしまう。
ものぐさでじゃない。そう思われるのだろうけど。
色々調べたらこれは神経性過食症というもののようで、それに処方される薬はSSRIの初期のものでプロザックだった。
日本では未承認なので、個人輸入をして、縋る思いで飲む。
MDクリニックダイエットというタイの病院の薬も個人輸入した。調べると向精神薬と、甲状腺粉末と利尿剤とエトセトラだ。
それも飲む。
カラフルな色合いの大量の薬を眺めては、ふと岡崎京子の『ヘルタースケルター』の末期のリリコのようだなと思う。あんなに綺麗ではない。綺麗を保つためにするのではなくて、もう一度人間に戻れるように飲む。
けれど、食べてしまう。特に効かない。
胃のバイパス手術は近くの町ではやっていない。東京に泊まりで行かなければ。
いくら掛かるんだろう。そんなことばかり考えてる。
嘔吐はしない。出来ない。
さっきも食べてしまった。
今度、臨床心理士のところへ行ってみようと思う。何度目だ。合う人でありますように。
全てが縋る思いだ。
こんな醜くて生きていたくない。
けれど何もかも一歩からなので、お風呂、着替え、シーツ替え、子供の世話、仕事、何もかも一つずつ、やっていかねば。
こんなに羅列してはいけないのだ。
なのに頭の中に『to do list 』が湧き出る。
私は子供にとって良い親でいれているだろうか。
すでに片親で、暮らしぶりも普通とは違うけれど、それでもあの子にしわ寄せが行かないようなんとか、なんとか、頑張ってる。
ゆるされたい。
どこかでゆるされたくて、カウンセリングを受けてみる。
万策尽きた頃に何か突破口が空くんだろうか。
ジリジリ焼かれながら生きる思いだ。
神様どうか、もう少し生きやすくなるように、ことを進めてください。